日本教育工学会論文誌
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e-learning用講義ビデオにおける学習者の学習行動を利用した主観的難易度の把握方法の基礎的検討(<特集>大学教育の改善・FD)
大川内 隆朗大谷 淳米村 俊一徳永 幸生
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2012 年 36 巻 3 号 p. 193-203

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抄録

本論文では,非同期型(オンデマンド型)e-learningシステムにおける講義の改善のために重要な,学習者の主観的難易度の把握方法についての検討を行う.非同期型e-learning講義では,教員と学習者が同一の時間軸や空間に存在しないため,学習者の講義に対して感じている難易度の把握について,対面形式の講義とは異なった方法が必要である.具体的には,受講中における講義ビデオの巻き戻しや一時停止などについての時系列的な挙動が,学習者がそのとき感じている主観的難易度に反映すると考えられる.複数の学習者と講義ビデオをもとに実験を行い,e-learning講義受講中の行動データを取得するとともに,受講後に学習者に対してインタビューを行った.その結果,受講中の再生回数や,一時停止の時間の長さなどが,学習者自身がそのときに感じている,講義内容に対する理解の困難さと関係のあることが確認できた.

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© 2012 日本教育工学会
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