2022 年 46 巻 1 号 p. 49-63
学校におけるメディア・リテラシー実践において,教材やカリキュラムなどの開発や実践研究を中心としてきた先行研究では,教師が自発的にメディア・リテラシー実践に取り組むための研究が課題となっていた.そこで,本研究では「教師がメディア・リテラシーをどのように意義づけると,継続的な実践につながるのか」ということを研究の問いとし,その問いにメディア・リテラシー実践の経験がある中学校教師4名のライフストーリー調査からアプローチした.分析の結果,メディア論的視座がメディア・リテラシー実践の継続性を左右し得るものであるということが明らかになった.また,メディア・リテラシーを「能力」ではなく,「ものの見方」であると捉える必要性が示唆された.