2023 年 46 巻 4 号 p. 601-616
COVID-19の感染拡大の影響により,オンライン学習が広範かつ大規模に実施される中で,その利点が広く周知されるようになった.それに伴い,オンライン学習と対面学習を,あるいは,同期型学習と非同期型学習を効果的に組み合わせたブレンディッドラーニングは,「教育のニューノーマル」として改めて注目されている.ブレンディッドラーニングにより教授過程を最適化し学習効果を向上する教育実践は国内外で多数行われており,その多様な効果が認められている.一方,ブレンディッドラーニングを設計し効果的に実施することは必ずしも容易でない.本論では,ブレンディッドラーニングに関する教育工学研究の動向を整理し,COVID-19以降における展望を述べる.