日本教育工学会論文誌
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教育実践研究論文
相互連関モデルの外的領域に着目したICT活用指導力と価値観に関する研究
豊田 大登北澤 武
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2024 年 48 巻 4 号 p. 675-693

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抄録

本研究では都内公立小学校のICT推進校において,教員のICT活用指導力を高めるために実施されていた取り組みを評価した.そして取り組みを相互連関モデル (CLARKE and HOLLINGSWORTH 2002) の外的領域へ以下の5つの観点から整理した.1) 働き方改革,2) 管理職によるICT活用の推進,3) 人的・物的資源の充実,4) 教員研修の充実,5) 研究推進委員会.この取り組みの評価を行うために,勤務経験,教員のICT活用指導力に対する認識,ICTを活用した教育に関する価値観に着目し,これらの関係を分析した.その結果,ICT推進校に勤務1年目である教員は,授業にICTを活用して指導する能力の認識が向上し,勤務2年目以降の教員は,児童のICT活用を指導する能力の認識が有意に向上した.また,ICT活用指導力は,勤務2年目以降の教員において構成主義的教授・学習観と関連することが明らかになった.

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© 2024 一般社団法人日本教育工学会
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