論文ID: 43076
本研究の目的は,模擬授業中に児童役の学生が,学校現場の児童の役割演技をすることで, どのような学びが得られるのかについて明らかにすることである.上記の目的を達成するために,役割演技を指示していない群と役割演技を指示した群の児童役の学生に,模擬授業中に学んだことに関する半構造化インタビューを行った.そこから得られた語りを,オープン・コード化を用いて分析した結果,模擬授業中に児童役の学生は,6つの学びをしていることが明らかになった.また,役割演技を指示することで,教師の生徒指導の仕方に関する学びと褒められてうれしい気持ちになるといった授業場面の児童のプラスの心理の理解,授業がつまらなくて飽きるといった授業場面の児童のマイナスの心理の理解が得られることが明らかになった.