論文ID: 43093
本研究の目的は,小学生の「総合的な学習の時間」の達成感がどのような要因によって影響を受けているのか,また,どのようなパーソナリティ特性によって影響を受けているのかを明らかにすることであった.小学校5・6年生計239人を対象にアンケート調査し,共分散構造分析を行った結果,教師の「支援の適切性」は「達成感」を直接的,間接的に高めている重要な要因であった.また,ビッグ・ファイブによるパーソナリティ特性のうち,「協調性」は「支援の適切性」に影響を及ぼしており,「統制性」は「支援の適切性」,「情報収集への能動性」,「具体性/一貫性」に影響を及ぼしていた.児童の達成感を高める「総合的な学習の時間」を実施するためには,教師は,適切な助言や学習支援を行う必要があることが示された.また,他の教科や学校生活の中で児童の「協調性」や「統制性」を養うことで,達成感をより高める可能性が示唆された.