論文ID: 44098
近年,スポーツ分野で海外留学を目指す日本人が増えている.本実践報告では,ジャンル準拠タスクを用いた英語教授法により,将来,海外でサッカーの選手や指導者になることを目指す学生または社会人の6名が,サッカーのトレーニング指導で外国語コミュニケーション能力をどのように高めたかを報告する.参加者は,全15週にわたる学習の中で2回(中期と後期)タスクパフォーマンス・テスト(英語でのサッカーのトレーニング指導)が課された.本研究では,参加者の英語による発話の変化の様子を,「語彙・文法」と「ジャンル構造」の観点から2種類の質的調査(学習ログ記録,半構造化インタビュー)を用いて分析した.その結果,ジャンル準拠タスクを用いた英語教授法により,参加者たちは分野に特化した語彙・文法やジャンル構造への認識を深め,タスクパフォーマンス・テストに応用したことがわかった.