論文ID: 45026
学校も社会と同様にDXが求められている.2019年12月にGIGAスクール構想が示され,児童生徒一人に1台の情報端末が整備されようとしているが,これまでのICT機器に対する意識や経験の差などから,1人1台の情報端末が学習で活用されるものになるのか懸念がある.本研究ではICT環境の整備やICT活用に対する教員の期待や懸念を明らかにするために,児童生徒1人1台の情報端末の活用に対する初等中等教育の教員の意識を調査した.結果,1人1台の情報端末の活用は進んでおらず,情報端末は学びに役立つと期待がある一方,ICT環境の整備や児童生徒の心身の健康に対する不安も低くない.ICT機器を学習で活用し,児童生徒の生活を向上させるためには,まずはICT環境を整備し,ICT活用に対する理解を深め,児童生徒の心身への影響やトラブルに対する不安を解消していく必要がある.