論文ID: 45062
本研究の目的は,専門家のフィードバックによるプロジェクト学習の検証段階における支援の在り方を検討することである.検証段階におけるフィードバックでは,学習者が取り組む課題の構造とのズレが生じないようにすることや,検証を促進する要因を埋め込んだ環境や状況が必要であり,高校1年生を対象とした事例を通して統合的な支援の在り方を探索した.分析の結果,検証を促進する要因を実践に埋め込むこと,プロジェクト学習外でも探究に向かう生徒の態度形成を促すこと,が重要であることが分かった.さらに,専門家との実践前の合意や構造化されたワークシートの使用などフィードバックのズレが生じない仕組みを講じる重要性が推察された.