日本教育工学会論文誌
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パフォーマンスの典型事例とルーブリックを教材とする評価練習の学習効果
岩田 貴帆田口 真奈
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論文ID: 46079

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抄録

評価練習とは,ルーブリックを使って,そこで定められた水準に対応するパフォーマンスの典型事例を学生が評価した上で,教員が適切な評価結果とその根拠を解説する教授法である.単に学生にルーブリックを公開するだけでは,学生が自分のパフォーマンスを改善することが難しいことから評価練習が導入されてきた.しかし,その学習効果については,学生のパフォーマンスに基づく検討は限定的であり,特に,どのような典型事例を教材として用いれば学習効果が高まるかは明らかでない.そこで本研究では,評価練習を取り入れた授業実践において,学生のパフォーマンスに対する自己評価の適切さと,パフォーマンスの質から,評価練習の学習効果を実証的に検討した.その際,ルーブリックの全水準に対応する典型事例を用いる全水準条件と,一部の水準に対応する典型事例を用いる部分水準条件を比較した.その結果,全水準条件の方が,のちに学生が取り組んだ課題における自己評価の適切さに与える効果が有意に大きく,学生のパフォーマンスの質に与える効果が高い傾向が示された.

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