論文ID: 46092
大学生のリフレクションと学習成果との関係は,専門教育課程や体験・実習型科目で主に検討されており,また,リフレクションの測定も精緻になされていなかった.本研究では,リフレクションのプロセスモデルの特徴を整理し,講義・演習科目でも適応可能なリフレクションを測定する尺度を開発した上で,リフレクションと学習成果としての成績,能力の獲得感との関係を検討することを目的とした.大学生942名のデータをもとに因子分析を行った結果,「内容の想起・分析」「活動の想起・分析」「活用」の3次元からなるリフレクション尺度が開発された.さらに,クラスタ分析によって,それら3下位次元から6つのタイプを同定した.積極的にリフレクションを行うタイプの学生が,他のタイプよりも能力の獲得感が高い傾向にあることを示した.