論文ID: 46094
全国の公立小学校2,000校の学級担任を対象に,タブレット利用時の児童の健康に関して質問紙法による調査を行った.2021年8月1日から約1か月間の調査期間において,1,321名から回答が得られた.健康管理の懸念事項として,「児童の目や体の疲れ」,「目の距離が近いこと」,「児童の姿勢が良くないこと」の選択率は48~61%と回答者のほぼ半数に留まった.タブレット利用時の配慮・指導事項では,「机上の整理」を「いつもしている」と回答したのは78%であったのに対し,タブレット調整に関する「映り込み防止のための位置・角度調整」は23%,「表示画面の明るさ調整」は16%に留まるなど大きなばらつきが生じた.これらの実施頻度向上に向けては,教員用に文部科学省が発行した「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」の周知と内容理解が促進要因であることが示唆された.