論文ID: 47050
本研究は,学びのユニバーサルデザイン(Universal Design for Learning; UDL)の理論を踏まえた授業デザインをもとに,小学校算数科の授業を設計・実践し,効果の検証を行ったものである。その結果,児童はそれぞれの学習方法(一斉授業・一人学び・協同学習)の持つ良さを理解し,それらを選択することで,わかる,できるという実感を持ち始め,自らの学びの舵取りを試みる姿が示された。また,学習の理解を深めるために,同級生や教師に援助要請を出せる割合が高まることや,学力面では一時的に当該授業内の知識・技能に限り,その獲得を促す傾向等が示された。これらの結果から,本研究で用いた授業デザインが発達支持的生徒指導の場としての授業づくりの一助となる可能性が示唆された。