論文ID: 47115
本研究では,全国の専門学校7校をオンラインで結び,1日間のオンライン建築設計実習「バイオクライマティックデザインによる住宅設計:設計コンセプトづくり」を研究授業として実施した.成果物のコンセプト・シートの採点及び授業前後の質問紙調査の結果を,専門学校2校の同様の内容の対面授業の結果と比較して分析を行なった.オンライン授業においても,対面授業の教員による学生のエスキス・チェックによる指導と同様に,学生が「行為の中の省察」を体験するために,オンライン授業で活用できるようにカード (トランプ) 化したパターン・ランゲージを利用した支援により,オンライン授業が対面授業と完全に同等ではないものの,近い効果を持つ可能性があることが明らかになった.本研究が,今後のコロナ禍等のような物理的な制約や健康上の懸念を乗り越え,効果的な学習結果を生むための新しい方法やアプローチの探究に寄与することを期待する.