論文ID: 47116
本研究は,企業内ファシリテーターによるサーベイフィードバック型組織開発行動尺度を開発し,尺度の信頼性および妥当性を検証することを目的とする.サーベイフィードバック型組織開発行動とは,組織調査を行い,その結果をチームや職場にフィードバックすることを通じた組織開発行動のことを指す.先行研究や予備調査に基づき,50項目の項目案を作成し,民間企業に勤める企業内ファシリテーターへの質問紙調査を実施した (N=500).探索的因子分析の結果,「相互理解の促進」「的確な課題設定」「ボトムアップ型の計画策定支援」「配慮ある情報伝達」「話し合い時のプロセスの観察」の5因子36項目が抽出された.5因子に共通して影響を及ぼす高次因子「サーベイフィードバック型組織開発行動」を仮定した2次因子構造モデルについて, 構造的妥当性を検証した結果,適合度は良好であった.また,各因子の信頼性,基準関連妥当性が確認された.