論文ID: 48005
本研究は,学習者が自らの学習を評価・分析,改善するための学習モデルとして提案されたSelf-reflectionモデル(木村・黒上 2022)の充実を図り,学習者の自己調整を促すかどうかについて検討した研究である.本研究では,木村・黒上(2022)の研究において課題として挙げられた,「評価する活動」において学習者が自己評価することについて実証的に効果を検討した.これらを検討する上で,学生がレポートを改善する授業において,本モデルの「評価する活動」に自己評価する活動と相互評価する活動を位置づけた.その結果,学生が自らの学習を主体的に評価し,評価結果を分析することに至った.また,アンケート調査の結果から,本モデルの活動同士の関連性が見られ,学生が本モデルの活動と活動をつなぎながら自己調整を行っていたことが明らかになり,充実を図ったSelf-reflectionモデルの効果が認められた.