論文ID: 48046
子どもの社会的ネットワークの質的・量的な変容を探るために,人が人間関係を維持できる人数として知られるダンバー数に基づいた調査項目を試作した.そのうえで,社会的ネットワークの親密度について,高校生・大学生に対する予備調査を経て,小学生から高校生までを対象とした15の質問項目から成るアンケート調査を実施した.調査は2021年2,3月に小学生1,163人,中学生1,174人,高校生410人に対して実施した.その結果を因子分析したところ,2因子13項目を抽出し,第1因子を「顔見知り程度の関わり」,第2因子を「信頼感のある関わり」とした.さらに,質問項目ごとに校種別にカイ二乗検定と残差分析を行ったところ,第1因子は,小学生から高校生へ校種が進むにつれて概数が15人から150人に向けて大きくなり,第2因子は,概数15人を中心としており,校種が進むにつれて大きくなるものと小さくなるものが認められた.