論文ID: 49159
本研究は,オンラインと対面参加の学生が混在する同期型ハイブリッド学習において,情意的な主観評価の参加形態による違いを検討した.学部2年生65名に講義型授業を実施し,参加形態を無作為に割り当てた.授業後にエンゲージメント・基本的心理欲求に基づく授業評価尺度・ポジティブ/ネガティブ情動を測定した結果,先行研究とは異なり感情的エンゲージメントに有意差は見られなかったが,オンライン参加者は対面参加者に比べ,授業に対する満足感および自律性が有意に低く,教員との関係性も低い傾向にあった.群間の関心や既有知識が同程度で,教員とのインタラクション差を極力排除した条件下においても,オンラインという参加形態そのものが自律性と満足感を低下させる要因となり得ることが示された.本結果は,教員のオーケストレーション負荷を考慮しつつ,オンライン参加者への自律性・関係性支援を組み込んだ学習環境設計の必要性を提示している.