論文ID: S42034
本研究では,学習者が学習教材を選択する際に,動機づけの高低によって,どのような特性をもつ教材を求めるのかを検討した.大学生と社会人400名が回答を行い,動機づけが低く動機づけ調整が必要な場面と動機づけが高く動機づけ調整が不要な場面のそれぞれについて,学習教材を構成する各要素をどの程度欲しいかを評定した.その結果,第一に,学習教材選択時の動機づけ調整の特徴とは,内容特性の低い学習教材を選択することであると示された.とりわけ,発展的な内容に対するニーズが低下していた.第二に,ニーズには個人差があり,動機づけの高いときには,動機づけにおける自律性が高い人ほど内容特性の豊かさを求めていることが示された.