論文ID: S45095
本稿では日本の4年制大学のラーニングコモンズ(LC)を対象に調査を行い,LC での学習支援の現状に関して分析をした.研究目的は,①LC で提供する学習支援の内容,②授業に関わる学習支援の内容,効果と課題を明示することである.調査の結果,図書館に関連する学習支援に加えて,ライティングやIT といったアカデミックスキルや外国語を扱う学習支援が実施されていることが示された.また授業に関わる学習支援により,学習者の能力向上やLC 利用者の増加につながる効果が見受けられたが,対応できる学生数に限りがあるという課題も示された.大学によっては授業に関する学習支援の拡充を控える傾向もあり,過渡期にあることがわかった.