論文ID: S46010
本研究では,協同学習における動機づけ調整と状況的動機づけとの関連を検討した.計23名の大学生を対象に40分の協同学習を行い,その前後にそれぞれ調査を実施した.事前に動機づけ調整傾向を測定し,協同学習の直後に,協同学習中の9時点の状況的動機づけを回顧的に測定した.階層線形モデリングによる分析を行った結果,動機づけ調整傾向が低い学習者は,協同学習の後半の状況的動機づけの低下が大きく,動機づけ調整傾向が高い学習者は,協同学習の後半の状況的動機づけの低下が比較的小さかった.以上より,動機づけ調整は,特に協同学習の後半の状況的動機づけの維持に対して重要な役割を果たすと考えられた.