論文ID: S46044
本研究では美術教育の本質的理解を促す学習環境デザイン原則を見いだすことを最終目的に,幼小中教員養成課程所属の学生による「幼児向けアートプログラム」を共同開発する学習環境デザインを開発した.本稿では本学習環境が学生にどのような理解を形成したのかを,美術教育の本質的理解のうち「素材」への言及を中心に確認した.最終レポートからは「素材」を生かした幼児中心の自由な活動を作り上げることの重要性の理解を確認できたが,学習者の専門性の違いが垣間見られた.振り返りの記述から,学生は子どもの活動を観察する機会を得たことからの発見や他大学との交流を利点と受け止めており,「アートプログラム」実施の価値と課題が見えた.