論文ID: S48148
コロナ禍以降,日本語教育においてもハイフレックス授業が実施され,さまざまな課題が報告されている.しかしながら,熟達した教員は,対面とオンラインの両学生に円滑に対応し,その教室空間において境界を感じさせない授業展開をしていた.本研究では,熟達した教員がどのような方法でふるまい,学生とのやりとりを円滑に行っているのかを会話分析により,記述を試みた.その結果,回答を終えた学生から次の学生への移行の際,1) 教員の発話の宛先と視線の向きは必ずしも連動しているわけではないということ,2) 対面とオンラインをひとつの空間として,全員に発話機会を与える方法を取っているということがわかった.