関西地方の二次林では野生ツツジ類が減少しており,その保全は重要な課題になっている。野生ツツジ類を保全していくためには,数100 ha程度の範囲において開花個体に関する定量的データを取得できる方法の開発が必要だと考えられる。宝が池公園(京都市左京区)にある森林109.4 haを調査対象とした。2020年4月8日にUAVを使い空撮したデータからオルソモザイク画像を作成した。機械学習を使い,オルソモザイク画像からコバノミツバツツジの花を検出した。同時に46地点でコバノミツバツツジの開花個体を調査した。機械学習を用いたコバノミツバツツジの花の検出精度は高かった(Overall Accuracy=97.9%)。現地調査における開花個体数と,画像認識結果から算出した花のパッチ面積には強い相関があった(r=0.75)。コバノミツバツツジ開花個体の分布把握の新しい方法を示すことができた。