日本森林学会誌
Online ISSN : 1882-398X
Print ISSN : 1349-8509
ISSN-L : 1349-8509
論文
被害防止柵の効果を制限する要因—パス解析による因果推論—
本田 剛
著者情報
キーワード: 管理, , 人的要因, パス解析, 被害
ジャーナル フリー

2007 年 89 巻 2 号 p. 126-130

詳細
抄録
被害防止柵は野生動物による農業被害を防止するため,頻繁に利用される。この柵とは簡易的で一時的な柵と,堅牢な固定柵の2種類に大分される。固定柵は簡易柵よりも高い効果が期待されがちであるが,固定柵の効果は期待されるほど高くないとする報告は少なくない。そこで,どのような要因が固定柵の効果に影響を与えるのかを調査するため,さまざまな要因を対象としパス解析により分析した。柵の効果は管理や設置上の不良要因により影響をうけることおよび,これら不良要因は専門家による助言の有無,組織的活動といったヒューマンファクターにより影響をうけることが示された。以上のことから柵の効果を高め,野生動物による農業被害を減らすためには,これら人的要因により多くの注意を払う必要があると考えられる。
著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top