日本森林学会誌
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短報
分割材の天然乾燥による水分減少経過
佐野 哲也井 春夫吉田 貴紘
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2011 年 93 巻 3 号 p. 133-138

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抄録
薪を利用して木質燃料加工用の生材を乾燥する場合の乾燥時間の目安を把握するために, 薪割り機で分割したヒノキとアラカシ生材を異なる分割サイズ (4, 8分割) や乾燥場所 (舗装の有無, 屋根の有無) で乾燥させ, その水分減少経過を比較した。ヒノキの方がアラカシより速く乾燥し, 含水率30% (乾量基準) に到達する日数は初期含水率約90%のヒノキが14∼80日, 初期含水率68.3∼78.3%のアラカシが30∼200日以上であった。乾燥場所別にみると未舗装土場で乾燥させた材の方が含水率30%に到達するのが遅く (ヒノキで80日, アラカシで200日以上), 舗装土場と屋内で早かった (ヒノキで14日, アラカシで40∼140日) 。分割サイズが乾燥経過に与える影響はアラカシの方が大きくなる傾向がみられた。雨にさらされる屋外での長期乾燥の効果は小さく, どの条件でも乾燥開始から1, 2カ月の乾燥が遅くなる時期を見計って乾燥を打ち切った方が効果的であると推察された。
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© 2011 一般社団法人 日本森林学会
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