日本森林学会誌
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総説
外来種ニセアカシアを取りまく言説とその科学的根拠
真坂 一彦
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2013 年 95 巻 6 号 p. 332-341

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抄録

侵略的外来種ニセアカシアについての言説を整理し, 社会心理学的な視点から検討した。ニセアカシアは窒素固定菌と共生することで土壌に窒素をもたらし, 林内に外来の好窒素性植物を繁茂させ, 在来種を駆逐すると説明される。しかし, 報告されている調査事例は因果関係と相関関係の取り違えという試験設計上の問題をかかえ, ニセアカシアの影響を評価できない。一方で, 在来樹種の林内の種多様性と大きな差異がないという報告もある。ロジックに不備がある説明が受け入れられる背景には, 「仮説確証型の情報処理傾向」に基づく「選択的認知」が指摘できる。ニセアカシアの侵略性を紹介する資料の中には明瞭な虚偽記載も認められた。河川敷やクロマツ海岸林への侵入は, 人為的な土地改変や植生管理の停止という影響が大きい。人畜等への毒性については, 事例が限定的なうえに断片的な情報も多く, 「偶然の過大評価」や「証拠隠し」が疑われた。ニセアカシアは養蜂業を通して果樹野菜の花粉交配に貢献している。ニセアカシアの管理においては, 公正な情報に基づいた議論による社会的合意が必要とされる。

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© 2013 一般社団法人 日本森林学会
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