2016 年 98 巻 2 号 p. 74-78
本研究の目的は,新疆ウイグル自治区の観光振興に寄与する基礎的な研究として,日本人旅行者の海外旅行に対する志向を明らかにすることである。調査は,自然を見どころとした白神山地と,歴史・文化を見どころとした平泉を訪れる日本人旅行者を対象に,海外旅行に対する志向を把握するためのアンケート調査により実施した。調査の結果,1)日本人旅行者は海外旅行に対して,自然景観と歴史・文化との触れ合いの二つの志向を持っていること。2)アジア地域を志向する旅行者は,現地の人々との触れ合いや発見・刺激に対する志向が強いこと。3)調査で提示した新疆の四つの観光地は,自然,歴史・文化,安らぎの場として,それぞれ位置づけられること,等がわかった。