降水量の少ない地域へのコンテナ苗の導入事例として,長野県信濃町におけるスギコンテナ苗の活着と初期成長を2年間調査した。コンテナ苗の活着率は丁寧植栽された裸苗の活着率と変わらなかったが,一鍬植えされた裸苗の活着率よりも優れていた。初年度の樹高成長量は,コンテナ苗も裸苗も1cm 未満であり,強い乾燥ストレスを受けていることが示唆された。2年目の樹高成長量は両者とも約30cm 以上と回復した。しかし,コンテナ苗の樹高成長量と肥大成長量は丁寧植栽された裸苗より劣った。また,2年目の樹高成長量と肥大成長量はいずれも雑草木との競合状態の影響を受けており,初年度の小さな樹高成長量がその後の低い成長と下刈りコスト削減に深刻な影響を与えることが懸念された。