抄録
風力ガバナを急峻山岳林における機械集運材施設の補助ブレーキとして利用する試みはすでに成功をおさめ,周知のとおり各方面で実用価値が認められている。このような下げ木荷重運動を直接制御する風車の利用を「第1利用」と名づければ,ここに新たに提示されるのが「第2の利用」である。それはフォーリングブロック系統の集材施設に応用して,これらの作業に共通な根本的欠点(運転技術の困難煩雑性)を解消するとともに,あわせて作業能率の向上,索衝撃の緩和,制動機損耗の減少,燃費の節減をはかろうとするための利用-したがって,下げ木集材時はいうに及ぼず,水平・上げ木集材の場合でさえも「材吊上げ機能持続」を可能ならしめるために,実搬器走行中,風力ガバナを常時抵抗として利用する-を意味する。
著者は数年前からこの発想をまず変形エンドレスシステムに生かし,この方式に内在する上記欠点の除去に成功し,簡易集材法中,最良と思われる方式に昇華させることができた。
林内自動車道路網の拡充に伴い,わが国の集材圏は次第に短縮されつつあり,また,伐採量,出材密度,労働力ならびに集材技術など作業条件の面でも,従来の国有林型大規模架線万能主義はすでにその変革を迫られているように思われる。
この報告シリーズは,本法の設立にはじまり,試作集材機の誕生,各種現地試験に至る一連の研究成果をとりまとめたものである。
第I報では,はじめにあたり,本法の意義,目的,応用範囲,作業法の特色などにつき説明する。