2002 年 84 巻 1 号 p. 37-40
常緑広葉樹二次林で優占するナナメノキおよびクスノキの落葉の分解に伴う生物窒素固定活性(アセチレン還元活性)と有機組成の変化を金網法で測定した。分解に伴うアセチレン還元活性の変化は落葉の種類によって異なっており,C/N比との間に相関は認められなかった。ナナメノキではベンゼン-エタノール可溶性物質の多くが残存している段階で高い活性が認められたが,クスノキの活性は低かった。落葉の分解に伴う生物窒素固定量は0.521kg•ha-1•yr-1と推定され,その大半がナナメノキの落葉で行われていると考えられた。