抄録
核家族化が進行する中、地域住民による子育て支援活動が注目されつつある。では、住民が子育て支援活動を展開する上で、どのような点を考慮しておくべきか。本研究は、NPO法人によって運営されているファミリー・サポート・センターの一つ、「あい・あい」(岡山県総社市)を取り上げ、住民主体の子育て支援に対する示唆を汲み取ろうとするものである。まず、同団体の活動の特徴を、社会福祉協議会が運営する同種のセンターと対比しながら整理した。続いて、同団体立ち上げの経緯をまとめるとともに、同団体で子育て支援に従事するサポーターたちの属性や意識を紹介した。最後に、住民主体の子育て支援に対する示唆として、①小中学校をはじめ関係機関・団体との関係づくりに積極的に取り組むこと、②「顔が見える関係」を大事にしながらも、同時にプライバシーに立ち入りすぎないことにも配慮することの重要性を指摘した。