2020 年 53 巻 3 号 p. 246-256
症例は87歳の男性で,横行結腸癌と胃癌に対する横行結腸切除および幽門側胃切除術を施行し,残胃十二指腸吻合の縫合不全をドレナージ中,第27病日に発熱を認めceftriaxone(以下,CTRXと略記)・vancomycin(以下,VCMと略記)を開始し,第33病日に腹部膨満と右季肋部痛,発熱と高度炎症反応亢進を認めた.下痢は伴わず,縫合不全による敗血症の診断でCTRXを増量後に肝機能障害が出現し,cefozopranに変更後も所見は改善せず,第46病日のCTで全結腸と直腸の壁肥厚像,内視鏡で直腸とS状結腸に偽膜を認め,便中Clostridium difficile(以下,CDと略記)toxin陽性となった.VCM内服に変更後も腹部膨満が増悪し,劇症型CD腸炎の診断で第50病日に回腸瘻造設術を施行し,人工肛門に留置したイレウス管より腸管洗浄とVCM腸管内投与を行い,第59病日に偽膜の消失を確認した.