日本消化器外科学会雑誌
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Prolene* hernia systemを応用した腹膜外到達法による閉鎖孔ヘルニア修復術
宮崎 恭介成田 吉明中村 文隆増田 知重道家 充樫村 暢一松波 己加藤 紘之
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2002 年 35 巻 8 号 p. 1448-1452

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抄録
Prolene* hernia system (以下, PHSと略記) を応用した腹膜外到達法による閉鎖孔ヘルニア修復術を考案し, その手術成績を検討した. 2000年7月から1年間に経験した8例の閉鎖孔ヘルニア (嵌頓6例, 非嵌頓2例) を対象とし, 全例骨盤部CT検査で診断した. 手術は内鼠径輪上方の4cmの横切開から腹膜外腔を経て閉鎖孔に到達した. 閉鎖膜を用指的に拡大し, 閉鎖管に嵌頓したヘルニア嚢および内容を整復した. 腹膜外腔にオンレイパッチをトリミングしたPHSを挿入し, 無縫合で閉鎖管を閉鎖した. 発症後4日以上の例は腹腔鏡で嵌頓腸管の性状を確認した. 嵌頓例で発症から手術までの期間は3.7日で, 腸管壊死は認めなかった. 手術時間は50分であった. 経口摂取は術後2日以内に開始され, 術後入院期間は5.2日であった. 術後合併症および再発は認めていない. 本法は非嵌頓および嵌頓早期の閉鎖孔ヘルニアに対して, 低侵襲で確実に閉鎖管を閉鎖できる術式である.
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