本稿は、骨髄移植治療に必要な骨髄を提供するドナー募集を担当する日米の骨髄バンクであるアメリカのNational Marrow Donor Programと日本の骨髄移植推進財団が、臓器を必要とする需要側である患者と供給側である臓器提供者とを結びつけるために行っている活動を比較検討するものである。
まず、それぞれの組織形態を従来の経済学とマーケティング理論に依拠して整理する。そして、その二つの組織がどのような視点で、マーケティング活動、特にプロモーション活動を行っているかをキャンペーンポスターを中心に考察し、その違いを明確にする。その違いの中から今後の非営利組織のキャンペーン活動とりわけ日本におけるその課題を検討する。