薬史学雑誌
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三瓶「人参耕作記」とその典拠について
成田 研一
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2021 年 56 巻 1 号 p. 48-54

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抄録
緒言:石見銀山領大森代官所へ 1778(安永 2)年に領民から出された一通の嘆願書,添えられた人参栽培法を記したショート・メモを調査の対象とした. 方法:その栽培法の内容が特異的だったので,先行する他の栽培法と比較検討した. 結果:このショート・メモは「朝鮮人参耕作記 田村藍水:1765」からの簡略な抜粋,図の模写であると考えられた.また,栽培技術に盆栽の手法が応用されていることから,佐渡での人参栽培法の開発が原始であると推測された. 考察:佐渡での人参栽培法の開発から日光へ栽培法が伝えられ,成書となり,三瓶山へも,また全国へも伝えられた可能性があると考えられた.
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© 2021 日本薬史学会
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