薬史学雑誌
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20 世紀末までの医薬・農薬に関わる日本の有機化学の研究史 その 4:20 世紀の農学系分野における傑出した有機化学者
中川 好秋松本 和男中辻 慎一村岡 修
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2022 年 57 巻 2 号 p. 79-92

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抄録
農芸化学系における有機化学研究は鈴木梅太郎らのビタミンの研究に始まり,その後,植物ホルモン,抗生物質などの天然物化学研究が精力的に行われて農薬研究へと繋がった.第二次世界大戦後に利用された農薬は海外から導入されたものであったが,20 世紀の後半には国産の農薬が次々と開発され,国内外における植物防疫に多大な貢献をしてきた.最近では,日本で新しく開発される農薬の数が群を抜いて多くなっている.本稿では,農薬分野に軸をおき,間もなく100周年を迎える日本農芸化学会と50周年を迎える日本農薬学会で行われてきた天然物化学,生物有機化学,農薬化学を中心とした有機化学研究に多大な貢献をした研究者と関連機関の経緯などを概観したい.
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© 2022 日本薬史学会
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