薬史学雑誌
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日中韓の伝統医学の現状の比較-使用されている処方とその創製時期から-
李 鵬遠佐々木 裕伊陳 福士津谷 喜一郎新井 一郎
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2024 年 59 巻 2 号 p. 189-199

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抄録
目的:日中韓の伝統医学の現状を,各々で,現在用いられている処方の種類,創製国・創製年代の面から比較した. 方法:中国は中医師のための国定教科書 6 冊,韓国は韓医科大学で使用されている教科書 2 冊,日本は,医療用・一般用漢方製剤に掲載されている処方を抽出し,その創製国・創製年代(王朝名)を調査・比較した. 結果:中国,韓国では,中国の各年代に創製された処方がまんべんなく使用されていたが,日本では,漢時代に創製された『傷寒論』,『金匱要略』に収載されている処方の構成比が明らかに高く,清以後の時代に創製された処方はほとんど使用されていなかった. 結論:日本で現在使用されている処方構成は中韓とは大きく異なっており,江戸時代に生まれた古方派による『傷寒論』重視の影響と考えられた.
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© 2024 日本薬史学会
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