2018 年 39 巻 p. 37-45
背景・目的 日本人は世界でも最も入浴や温泉に入る人種といわれているが、一般住民を対象とした日常的な入浴に関する疫学研究がほとんど見られない。そこで、都市部地域住民を対象に入浴の実態についてアンケート調査を行い、今後のわが国の適切な入浴形態を提示することを目的とする。
方法 都市部地域住民を対象に入浴の詳細な実態アンケート調査を行った。1592名の有効回答が得られた。このアンケートと最近実施した健診データとを突き合わせた。メタボリックシンドロームは、国際標準の基準を用い、その構成因子が3つ以上ある場合メタボリックシンドロームと定義した。入浴の各要素とメタボリックシンドロームの構成因子との関係は、性年齢調整のロジスティック回帰モデルを用いて解析した。
結果 入浴はほぼ毎日入る方が過半数いた。毎日入らない群の方が、夏季にメタボリックシンドロームのリスクであった。夏季はシャワーを使う傾向が、冬季は湯船につかる傾向が強かった。入浴時間は夏の方が短く、若い世代の方がより短い傾向がみられた。夏期の入浴時間が20分間以上の群で、メタボリックシンドロームの危険度が0.63と低かった。入浴時間帯は、夏季で特に男性が夕食前に入浴する方が4割いて、女性は夕食後就寝前に入る傾向がみられた。一方冬季にシャワーを使用する群でメタボリックシンドロームのリスクが低かった。入浴に心がけていることは、浴室を温めること、かけ湯、早めに汗を拭くことは比較的行われていたが、水分補給の水を持ち込む、血圧の高い時には入浴を控えるということを実際はほとんど行われていなかった。
考察 今後追跡を重ねて、因果関係のあるエビデンスを出していき、適切な入浴のエビデンスを重ねていく。