マインドフルネス研究
Online ISSN : 2436-0651
ISSN-L : 2436-0651
食事前の呼吸瞑想が食行動とマインドフルネスにおよぼす効果
宮田 裕光 赤塚 咲希
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 7 巻 1 号 p. 17-22

詳細
抄録
マインドフルネスに基づく介入は,肥満および摂食障害の治療に効果を持つことが示唆されている。本研究では,健康な日本人の大学生を対象とし,食事前の短時間の呼吸瞑想による介入の食行動およびマインドフルネス傾向に対する効果を予備的に検討した。1名の参加者が毎回の食事前に5分間の呼吸瞑想を2週間実践し,別の2名は同じ期間中,瞑想を実践しなかった。介入を行った参加者では,介入期間終了時および終了2週間後のフォローアップ時点において,介入開始前よりも,食行動評価,抑制的摂食,マインドフルネスの各尺度の得点は増大し,情動的摂食,外発的摂食の得点およびBMIは減少していた。瞑想を行った参加者の内観報告からも,食事に対する気づきや抑制の増大が示唆された。これらの結果は,日本人の健常成人において,食事前の短時間の呼吸瞑想が食行動およびマインドフルネス傾向に望ましい効果をおよぼす可能性を示唆している。
著者関連情報
© 2022 本論文著者

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top