超音波医学
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総説
リアルタイム3D心エコー図の循環器診療への貢献
穂積 健之
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2006 年 33 巻 4 号 p. 473-481

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抄録

近年, 通常の心エコー装置でリアルタイムに立体画像描出が可能な次世代リアルタイム法が登場し, 3D心エコー図が臨床心エコー検査で用いられる時代となった. 現在の装置では, 標準的に用いられるのはフルボリューム・モードである. 本モードは, 左室容量や駆出率, 左室心筋重量の計測に特に適している. 負荷心エコー図に適用すれば, 各ステージの左室全体の壁運動を容易に記録することができる. 左房から見た僧帽弁の立体画像は, 僧帽弁病変の部位を把握するのに役立ち, 手術前の重要な情報を提供し得る. このように, 新世代のリアルタイム法は, 左室収縮能の定量評価, 負荷心エコー図, 弁膜疾患の病変把握に用いることができ, 今後臨床において広く普及すると期待される.

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© 2006 一般社団法人 日本超音波医学会
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