超音波医学
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総説
妊娠初期の超音波検査
市塚 清健長谷川 潤一松岡 隆仲村 将光関沢 明彦
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2014 年 41 巻 3 号 p. 301-308

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抄録
妊娠初期における超音波検査の役割は,妊娠週数・出産予定日の確認,流産,異所性妊娠,胞状奇胎など異常妊娠の診断,比較的大きな胎児形態異常の有無,多胎妊娠の場合の膜性診断,子宮筋腫,卵巣腫瘍など婦人科疾患合併の有無などの検索である.最近では,それらに加え後頸部無エコー領域(nuchal translucency: NT)をはじめとした胎児染色体異常のリスク評価も加わってきた.NT以外の検査項目は,特に倫理的な問題は含んでおらず,基本的には診断した医師は患者に検査結果を伝える必要があるが,NTに関してはいわゆる出生前診断の一部と捉えられるため,検査結果のインパクトが大きい.さらに,その計測には一定の技術が求められる.したがって,検査を行う際には習熟したものが検者である必要があり,さらに検査結果はもとより,検査前に妊婦に本検査を受けてわかること,わからないことなど検査の本質をカウンセリングし,自己決定による希望者のみに行うことが望ましい.本稿では妊娠初期に行う超音波検査の進め方,方法さらに妊娠初期の超音波検査の安全性についても概説する.
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© 2014 一般社団法人 日本超音波医学会
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