超音波医学
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総説
肩関節の超音波診断
平田 正純
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2016 年 43 巻 4 号 p. 557-561

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抄録
運動器の構成体である骨,関節,骨格筋,腱,および靭帯そしてそれらを制御する神経のエコー像を理解することは重要である.肩関節前方走査で上腕骨大結節,小結節,結節間溝が描出され,結節間溝内には上腕二頭筋長頭腱が描出できる.外上方走査では背部体表から肩甲棘の走行を触知しこれと平行に肩外側にプローブをあてると体表から三角筋,その下に腱板(棘上筋・棘下筋),腱板が付着する上腕骨大結節が描出される.正常の腱板は上方になだらかなカーブ状凸像を呈し,内部はfibrillar patternを認める.後方走査では肩甲上腕関節短軸像が描出でき,棘下筋の深部に線状高エコーを呈する上腕骨頭と肩甲骨関節窩が確認できる.上腕骨頭・肩甲骨関節窩の間に三角形で高エコーを呈する関節唇を認める.腱板断裂の超音波像の特徴は外上腱板長軸像におけるperibursal fatの陥凹,平坦化,腱板付着部の表面不整像や腱板内の低エコー像がある.石灰性腱炎では腱板内に高エコー像を認め,硬い石灰は音響陰影を伴う.超音波診断装置は最近の整形外科領域でますますそのニーズが高まっており,さらに発展が期待される.
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© 2016 一般社団法人 日本超音波医学会
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