超音波医学
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我が国におけるPoint-of-Care超音波(POCUS)の現状と将来展望
集中治療領域のPOCUS:現状と将来展望
野村 岳志清野 雄介西周 佑美吉田 拓也福井 公哉
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2019 年 46 巻 1 号 p. 39-45

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抄録
Point-of-Care超音波(POCUS)が超音波機器の小型化,画像の明瞭化など超音波機器の進歩に伴い,集中治療領域に浸透してきた.約20年前には経胸壁心エコーや胸水診断が一部の集中治療医によりに行われていたが,総じてPOCUSを行う医師は少なかった.現在では肺胸郭エコー,腹部エコー,深部静脈血栓症診断などが加わり,さらに経頭蓋カラードプラによる脳血流評価など,全身の超音波検査が集中治療室で行われている.集中治療室で治療される患者は人工呼吸中や血液浄化療法中などCT検査などへの搬送が難しく,ベッドサイドで行えるPOCUSのメリットは非常に大きい.また急な検査にも対応可能である.そのため,集中治療室でPOCUSの活躍の場はさらに広がり続けると確信する.加えて患者管理に有用な診断手段となるためにも,POCUS教育も重要となる.多くの医師のPOCUSの習熟を促すためにも,超音波診断総論などは医学生や研修医の必須教育カリキュラムになるべきと考える.ここでは,現在集中治療室で行われている,また将来行われるようになる可能性があるPOCUS,そして集中治療におけるPOCUS教育について概説する.
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© 2019 公益社団法人 日本超音波医学会
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