2019 年 46 巻 4 号 p. 347-352
目的:体表からのアプローチでshear wave elastographyの呼吸器疾患に対する有用性を評価する.対象:検討患者は合計13名,内訳は原発性肺癌6名,転移性肺癌2名,肺炎4名,無気肺1名.方法:体表から超音波Bモードで肺病変を描出し,shear wave elastographyを用いてせん断波伝搬速度を測定した.結果と考察:肺腫瘍のせん断波伝搬速度は3.26~7.25 m/sで平均4.86±1.29 m/sであった.肺炎・無気肺のせん断波伝搬速度は1.08~2.29 m/sで平均1.57±0.45 m/sであった.肺腫瘍のせん断波伝搬速度は肺炎・無気肺よりも明らかに速く,統計学的に有意差を認めた.結論:胸膜に接する肺病変において体表からのアプローチでshear wave elastographyが質的診断に有用である可能性が示唆された.