2024 年 51 巻 1 号 p. 49-62
二次性MRの中でも心室性機能性MRにおいては,MitraClipによる治療が標準的な治療となりつつある.心室性機能性MRをMitraClipによって制御するためには,逆流の発症機序と重症度を的確に判定する必要がある.しかし二次性MRの重症度は一次性MRに比べて過小評価されやすく,また経時的に変動するという問題があるため正確に重症度を判定するためには重症度判定アルゴリズムを正しく活用し,負荷心エコーを積極的に活用することが重要である.またMitraClipによる治療を行うためには事前に留置手技に関する難易度を判定しなければならない.まず弁尖のクレフト,僧帽弁狭窄症や弁尖穿孔などのMitraClipによる治療が適さない形態的特徴がないことを確認する.さらに僧帽弁口面積,経僧帽弁圧較差,coaptation depth,coaptation lengthと後尖長を計測しEVEREST IIの患者判定基準やGerman consensusの基準に基づき手技難易度を判定する.MitraClip留置後は医原性MS,残存MRの程度を評価することに加え,肺静脈血流波形や一回心拍出量などを計測し,最終的に血行動態の改善が得られたかを総合的に判断することが重要である.二次性MRのうち心房性機能性MRに対してもMitraClipによる治療がなされており,有効性を示唆するいくつかの報告が見受けられるが,現状ではエビデンスを蓄積している段階である.