超音波医学
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総説
最新の臨床心臓病学における長軸方向ストレインイメージングの役割
加藤 寿光原田 智成鏡 和樹小保方 優
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2024 年 51 巻 1 号 p. 37-48

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抄録

心筋ストレインイメージングは,通常の心エコー検査で測定でき,心血管疾患の治療において重要な役割を果たす.病気の診断を助け,疾患進行の予測や早期の薬物治療介入が可能になり,潜在的な心筋障害を検知する点で臨床的価値がある.ストレインイメージングは,腫瘍循環器分野でもっとも盛んに研究が行われ,臨床でも使用されている.左室(left ventricular: LV)の長軸方向ストレインのベースラインから> 15%の相対的な低下は,早期無症候性LV機能障害のマーカーと考えられ,心保護薬の早期開始につながる可能性をもっている.ストレインイメージングの役割は,心アミロイドーシス,他の心筋症,心臓弁膜症,肺高血圧症,および左室駆出率の保たれた心不全など他の分野にも拡大している.さらに,右室や心房の評価にも応用される.本総説は,臨床において,ストレインイメージングが心血管疾患患者の評価と疾病管理で現在果たしている役割について解説する.

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© 2024 公益社団法人 日本超音波医学会
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