2026 年 53 巻 4 号 p. 263-270
胆嚢壁肥厚は実臨床で比較的多く遭遇するが,診断に際しては胆嚢壁肥厚の程度,形状,内部構造,輪郭および血管分布の評価が必須となる.良悪性診断において形態学的評価は最も重要であるが,良性であっても胆嚢癌に類似する画像所見を呈することがあり,鑑別診断に難渋することがある.このような症例の診断に際しては血管評価が不可欠である.本レビューでは,USによる血管評価の現状および壁肥厚を伴う病変を含む胆嚢病変の血管画像検査による診断について解説する.これまでに,高感度ドプラ法,造影剤の使用,新たに開発されたフィルタによるドプラを用いた微小血管画像検査など,胆嚢壁の血流を評価するための様々なイメージング法が開発されてきた.従来のカラードプラ法による胆嚢病変の診断は限定的であるが,造影超音波下での血流,造影パターン,造影/washoutのタイミングに関する評価は有用であると報告されている.微小血流イメージングでは,複数の不整な血管が悪性のサインである可能性が示唆されている.しかし,微小血管に関する報告は少数であり,胆嚢病変の良悪性診断が可能となるためには今後のさらなる研究が必要である.