日本線虫学会誌
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種子島において植物寄生性線虫がサトウキビの初期生育に与える影響
上杉 謙太安達 克樹村田 岳服部 太一朗荒川 祐介鈴木 崇之
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2019 年 49 巻 2 号 p. 39-43

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抄録

種子島において植物寄生性線虫がサトウキビの初期生育に与える影響を調査するため、島内のサトウキビ圃場2か所より採取した土に1.5%ホスチアゼート粒剤を処理し(無処理、30 kg / 10 a 相当、150 kg / 10 a 相当)、サトウキビ2品種(NiF8、Ni22)を約100日間ポット栽培した。 栽培終了時のサトウキビ仮茎長、地上部重、根重に対する分散分析の結果、殺線虫剤処理と品種の効果がいずれの計測値でも有意であった。Ni22では初期ネグサレセ ンチュウ密度の高かった1土壌で薬剤処理間に生育差が認められた一方、NiF8では生育差が小さく有意差が検出されなかった。これらの結果は、種子島の土壌条件(黒ボク土壌)においても植物寄生性線虫はサトウキビの初期生育に影響し、その程度は2品種間で異なることを示唆している。

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