2019 年 11 巻 1 号 p. 83-90
日本では戦後、予防接種の注射針の使い回しが行われたこともあって、300万人を超える肝炎ウイルスキャリアが存在する。本研究の目的は、キャリアであることが判明したときの説明と患者によるその受け止め、その後の影響について明らかにすることである。予防接種により感染したと認定されたキャリア10名を対象に半構成的面接を行い、逐語録を質的帰納的に分析した。分析の結果、{説明に納得できた}等で構成される【説明への肯定的評価】、{説明で打ちのめされた}、{病気について理解できなかった}等で構成される【説明への否定的評価】、そして{人生の選択で制限を受けた}、[病気への対応が遅れた]等で構成される【説明による影響】の3コアカテゴリが抽出された。キャリアは他者への感染防止や肝炎発症時の早期発見など気をつけるべきことが多く、丁寧な説明と精神的なケアの重要性が示唆された。